温かい声かけ、ちょっとした相談・お手伝い、交流の場への参加を
会長 鎭目義雄
明けましておめでとうございます。
玉川学園地区社会福祉協議会も、できることから始めて5年目の新年を迎え、今年もさらなる活動の広がりを目指して進められるよう、お互い手をつないで務められればと願っております。
玉川学園、東玉川学園地域は、緑の景観に富む丘陵地の学園文化都市住宅地として、1960~80年代に、全国から急速に転入した住民が自主的な町内会自治会活動を行って住みよく温かいまちを創ってきましたが、2000年代に成熟期に入って住民の高齢化が進み、町内会自治会活動だけでは解決できない課題が多くなってきました。
高齢者の集まりの会、乳幼児を抱える親の会、高齢者や児童の福祉団体などの活動も町田市の他の地域に先駆けて進められてきましたが、日本人の平均寿命が80歳を超える時代に入り、玉川学園・東玉川学園地域は町田市で最初に65歳以上の高齢者の比率が25%を超え、そのうち50%以上が高齢者だけの家族となっていることもその背景となっています。
年間(高齢)死亡者数が新生児誕生数を上回り、全国からの転入者がそれを補って人口の減少を止めていますが、地域の高齢知人が他界されることで、長年の知り合いが減り、地域での交流が欠けたり、高齢化による認知症の発生、障害などで引きこもりとなったり、家族や近隣住民とのトラブルがおこるケースも増えています。引きこもりも年少者だけではなく、30歳代、40歳代でも世間との折り合いがつかず、引きこもりになっているケースも少なくはありません。
こうしたことには、家族の対応や、医師・看護婦・保健師・法律家・カウンセラー・相談士・福祉NPOなどが専門的に対応するのが多いかと思いますが、住み慣れた地域で、共通の住環境を持つ住民が、お互い住民としての対等の立場で、声を掛け合い、さりげない会話のなかで温かい心の交流を通して、心の悩みや緊張感を和らげることができる
ことが求められているように思います。
65歳頃まではお仕事をされているとしても、退職後は、趣味の会で個性を生かす生活のほか、ボランティアとして地域の課題に賛助されるのも地域住民としての生き甲斐の一つになるのではないでしょうか。
今の時代、医師も、患者から症状や生活、希望を聞くことにより患者から学ぶ、教えられることが多い、むしろ患者が先生であると言われる医師もおり、認知証になられた方々も自ら自主団体を結成して自分の得意な分野を生かし、尊厳と自信をもって健常者と対等の立場で生活していく時代に入っています。先日も、代表者のご発言を直接会合で聞いて深く感銘しました。
こうしたことから、地区社協としては、近隣10軒の家族の声掛けができる町内会自治会の班や、子供や高齢者生活のサポートをするNPO法人と連携して、自主的ボランティア活動を中心に、
(1)地域内でのさりげない見守り、温かい声掛け
(2)ちょっとしたお困りごとの相談
(3)ささやかな日常生活のお手伝い
(4)地域内でのささやかな集まり、交流会の開催
を行い、普段から住民の交流によるおつきあいを続け、安心安全な住みよいまちとして、お互い補い合って対等の人間関係を築き、生活圏を共有し、障害や認知症が生じても、希望と尊厳を持って住民として対等に地域で住み続けることができるようにしていくことが大事なことではないかと思います。
(1)については、すでに東日本大震災後、 町内会東玉川学園地区で定期的な声掛け活動が始まっており、南大谷地域でも市の高齢者アンケート調査の後、昨年から見守り活動が開始され、玉川学園地区も12月に65歳以上の方ほぼ全員に市のアンケート調査が行われ、夏には希望者に見守り活動が始まる予定です。希望者以外でも、町内会の防災防犯パトロールで空き家、高齢者住宅、障がい者住宅などに異変がないか見守る活動を10年以上行っており、世帯交代や住民の転入転出による変化も確認する活動を行っています。
(2)については、10人の相談対応経験者によるチームをつくり、ちょっとした悩み事相談に対応していますが、まだ十分知られていないこともあり件数は十分ではありません。
(3)については藤の台団地自治会の先例がありますが、当地区ではこれからの課題となっています。パソコンよろず相談室は開始して数年になりますが、年々相談件数が増え、高齢者の家族友人とのメールによる交流が熱い絆となって大きな喜びの声として上がっているのは好例と言えるでしょう。
(4)については、現職をほぼ終えた元気な住民が、地域住民として「オトコも集まる」会に集合して様々な話題をテーマとして話し合い、共通の共感、テーマの重要な意味を味わい、考える生活の充実感を経験しています。
(2)と(4)に関して、引きこもりの家族の親の会を2~3度開催し、30代、40代の家族の引きこもりにどのように対応していけばよいか率直な話し合いの場を設けています。引きこもりもさまざまなケースがありますが、当事者の尊厳、希望、充足感を尊重して住民として対等に交流できる機会を経験できるように発展できればと思います。
(4)については、月2回の歌声喫茶が人気を呼び、地区社協事務所に入りきれないほどの人が集まり、和やかで楽しい集まりになっています。
今年も、できるところから活動を広げ、世帯交代が進んでも、高齢化比率が高まっても、地域の住民が引きこもらずに、温かい声掛け、ちょっとした会合での会話をたのしみ、充実した地域での生活を続けられるよう活動の輪を広げてまいりたいと思います。
ボランティア活動に率先して参加される住民のかたがたのご連絡と、相談事、ご希望があれば、地区社協事務所へのご連絡をお待ちしております。
温かい会話と交流の深まるまちを今後も目指して参ろうではありませんか。
2015年の広報活動にあたって
広報担当理事 小林君江
玉川学園地区社会福祉協議会(玉川学園地区社協・愛称TOMO)は、2009年5月に設立して2015年5月で6年目を迎えます。現在は玉川学園町内会、5つの自治会、そして26の福祉団体が手をつないで、玉川学園地区社協が出来ています。
広報は、年3回~4回の「玉川学園町内会だより」に合わせて、町内会員に1部ずつ配布している「玉川学園地区社会福祉協議会ニュース」(浅黄色)と年2回玉川学園・東玉川学園地域全体に朝日、読売、毎日、産経、日経、東京新聞に折込みで入れている「玉川学園地区社会福祉協議会ニュース」(白色)があります。2013年3月号からのバックナンバーは、サイドメニュー「玉川学園地区社協ニュース」でご覧ください。
玉川学園地区社協では、ニュースの他にホームページがあります。昨年の1月1日からスタートし、多くの方がご覧になっています。このホームページに各団体の活動報告をタイムリーに載せていけば、その活動に参加する人も増えていくと思います。活動報告をお送りください。
「玉ちゃんバス」の中への広告も検討しています。地区社協って何をしているところ?誰がやっているの?何となく高齢者福祉関係のことをしているところというイメージがあると思いますが、地区社協では赤ちゃんから高齢者、障がいを持った人のこの地区での問題を皆なで考え、少しでも解決することが出来ればいいなと考えています。
地区社協ニュースや玉ちゃんバスの中の広告など一緒に企画する人大歓迎です。2015年度にはいろいろな世代の人が広報に携わってくれることを期待しています。
ご連絡先:mtgshakyo@gmail.com (小林君江 広報担当理事)